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今年もまた水害の被害が発生しています。地球温暖化や異常気象の影響なのか、日本では毎年全国どこかでは水害の被害が発生しています。
2020年も例外ではなく、既に九州全域に大雨をもたらし、大きな被害が発生しています。また、岐阜や長野でも猛烈な雨が降り、飛騨川を氾濫させました。
ちなみに、2019年10月12日、伊豆半島に上陸した台風19号は、多摩川や千曲川など全国の71河川で堤防が決壊し、甚大な被害が広がりました。全壊85棟、半壊324棟で、床上と床下の浸水はどちらも2万件を超えました。(総務省消防庁の統計より)
今後もこのような豪雨による水害の被害は避けられないでしょう。したがって、どのくらいの費用を想定したり、あるいはどのくらいの金額の保険に加入しておくべきか、事前に考えておく必要があると思います。
このページでは、このような水害の被害が発生した場合、実際にどのくらいの改修費用が発生しているのかについて解説します。
豪雨の水害で被災した場合の自宅の改修費用はいくら?
一般的な住宅(延床99㎡の2階建)の1階部分が床上浸水した場合、平均で422万円という試算が出ています。
根拠は以下の通りです。
・家屋の補修工事費用が約362万円
・家財費用が約60万円
※補修工事費は、泥の撤去や消毒のほかに床材や壁クロスの張り替え、床暖房の入れ替え以外に、浴室・トイレの取り換え、電気、ガス、水道など設備の点検などをすべて集計に入れています
上記の集計はあくまでも自宅の改修費用のみの話です。この他に自動車が浸水して全損になることが想定されるため、500万円以上の費用は覚悟する必要があります。
被害の大きさによっては、1000万円を超える被害が発生しているケースもあります。
水害を補償する保険
住宅・家財の保険
火災保険に水災補償をセットすることで、水害や洪水が補償されます。保険料は場所や家の大きさや構造によりますが、年間数千円から2、3万円と言われています。500万円の被害を想定すると、河川が決壊する恐れのある地域に住まれている方は必ず入るべき保険です。なお、水害の補償のある保険に加入しているのは、69.1%です。
まずは、お住いのある地域のハザードマップで浸水の恐れがどのくらいあるかを確認しましょう。
自動車の保険
自動車保険に車両保険をセットすることで、水害や洪水が補償されます。タワーマンションなどにお住いの方でも、自動車は地下や地上に駐車している方も多いかと思います。過去のように台風のみを想定していれば、他の場所に移すなどの対策は採れますが、近年のゲリラ豪雨などを想定すると、その対策も難しいかもしれません。保険に加入することを検討してみてはいかがでしょうか。
被災者生活再建支援法とは
自宅が被災したときに助けになる公的な支援制度のひとつが、被災者生活再建支援法です。住宅が全壊したりした世帯を対象に、最大300万円を支給します。水害の場合、全壊にならないケースもありますので、最大の金額が支給されない可能性もありますので、ご注意ください。
具体的な基準例は以下の通りです。
・住宅流出や1階の天井に達する床上浸水が「全壊」:最大300万円
・床上1メートルに達する浸水は「大規模半壊」:最大250万円
・床上1メートル未満の浸水は「半壊」で支援金なし
このような、十分な補償を得られないケースもありますので、注意が必要です。
最後に
このページは、水害の被害が発生した場合、実際にどのくらいの改修費用が発生しているのか、また、その補償についてどのようなものがあるのかについて解説してきました。
500万円もの被害を想定すると対策をしておくことも必要ですね。