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Knowledge(実践知識)60 カーボンゼロ・カーボンニュートラル・カーボンオフセット・脱炭素・第4の革命

投稿日:2021年1月3日 更新日:


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日経TESTの5つの評価軸の1つのKnowledge(実践知識)では、ビジネスパーソンが課題解決のために必要な実践的な知識が身についてるかどうかを測る評価軸です。この評価軸でよく出題される可能性があるのが、「カーボンゼロ・カーボンニュートラル・カーボンオフセット・脱炭素・第4の革命」です。このページでは「カーボンゼロ・カーボンニュートラル・カーボンオフセット・脱炭素・第4の革命」についてよく出題される部分について解説していきます。

日経TESTに関しては、以下のリンク先をご確認ください。

カーボンゼロ

世界がカーボンゼロを競い始めています。日本も2020年10月に2050年までに二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出を実質ゼロにすると宣言しました。化石燃料で発展してきた人類史の歯車は逆回転し、エネルギーの主役も交代する動きは第4の革命と呼ばれています。

取り組みの背景としては、大気中に蓄積される温暖化ガスの量は、50年間で2倍以上に増えたことにあります。その大半はCO2で、日本では温暖化ガスの9割をCO2が占めています。また、メタン、一酸化二窒素、フロンガスも、気温上昇の原因になる温暖化ガスに含まれています。

地球にかつてない量のCO2があふれ出したのは産業革命後です。1970年代以降は、先進国だけではなく新興国でも石油や石炭など化石燃料の使用が大幅に増えました。土地利用の変化も温暖化の行方に深く関わっています。森林の伐採や農地の整備でCO2の吸収や排出の実態が変わります。

地球にはもともとCO2を吸収する作用があります。大気中のCO2が増えると、植物や海洋が吸収する量もそれなりに増えます。気温が上がると森林や海藻、植物プランクトンの光合成の働きが高まることなどが理由です。

国別の排出量を見ると、中国と米国を合わせて全世界の4割以上を占めます。1人当たりの排出量では、米国が最も多いです。削減に向けた国際社会の交渉は、米中と欧州連合(EU)、新興国が中心になっています。日本は中国や米国の4分の1以下だが、世界で5番目に多い国です。

世界の国別CO2排出量 計約 328 億トン(2017年)

1🇨🇳 中国28.2%
2🇺🇸 アメリカ14.5%
3🇮🇳 インド6.6%
4🇷🇺 ロシア4.7%
5🇯🇵 日本3.4%
6🇩🇪 ドイツ2.2%
7その他40.4%
出典)EDMC/エネルギー・経済統計要覧2020年版

部門別CO2排出量 計約 319 億トン(2018年)

1発電・熱供給44%
2運輸26%
3産業19%
4建築9%
5その他2%
出典)EDMC/エネルギー・経済統計要覧2020年版

部門別では発電所や運輸、工場が上位を占めています。最大のCO2の排出源である「発電・熱供給」を、太陽光や風力などの再生可能エネルギーに置き換えることで、CO2削減に大きな効果を発揮します。工場など産業、運輸や移動の動力も化石燃料から電力に変わっていきます。住居やオフィスビルなど建築物は省エネ化が進みます。

グリーン成長戦略

政府は2020年12月に「グリーン成長戦略リンク⇨🔷)」をまとめました。50年に温暖化ガス排出量の実質ゼロをめざします。電力供給を天然ガスや石炭など火力発電に頼っている現状から、CO2を排出しない再生可能エネルギーを中心とする構造に転換するというものです。

2018年実績 日本の発電量の割合

1天然ガス38%
2石炭32%
3新エネルギー9%
4水力8%
5石油7%
6原子力6%
出典)エネルギー白書2020

2050年目安 日本の発電量の割合

1再生可能エネルギー50%〜60%
2原子力、CO2回収設備を備えた火力30%〜40%
3水素・アンモニア10%
出典)2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

全発電量の50〜60%を、太陽光や風力、地熱、水力などの再生可能エネルギーでまかなう計画です。火力発電は、排出するCO2を分離・回収するようにして使い続けます。残りの10%程度は水素・アンモニア発電でまかないます。

今ある技術だけではゼロを実現できません。温暖化ガス排出量や気候の「観測」、CO2を出さない「エネルギー」。「家庭」や「交通」「産業」は、クリーンなエネルギーを効率的に使わなければなりません。やむなく排出する温暖化ガスは「回収」します。2050年までの30年間で、6つの技術を3段階で実用化していく戦略が重要になります。

【リンク】2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(経済産業省)

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