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受託者賠償責任保険(受託賠)は、お客様や取引先など第三者から預かったモノを保管中に、誤って壊したり、紛失したり、盗まれたりした場合に、お客様等への損害賠償責任を補償する保険です。通称、受託賠と呼ばれてみます。英語では、fiduciary liability insuranceと言います。
このページでは、受託者賠償責任保険(受託賠)について解説していきます。
対象業者は特に限定されていませんが、モノを一時的に扱う業者が対象になります。倉庫などで貨物を保管することを専門としている会社や、ゴルフ場、展示場やホテルのクロークなどで、一時的にお客様の荷物をお預かりするような業務がある会社に対する保険です。
ただし、保険会社によっては、ホテル・旅館、クリーニング店、駐車場などは、それぞれ専用商品「旅館賠償責任保険」、「クリーニング賠償責任保険」、「自動車管理者賠償責任保険」がありますので、そちらに専用の受託者賠償責任保険に相当する補償が付いています。
受託者賠償責任保険(受託賠)の補償内容
受託者賠償責任保険(受託賠)の基本補償の内容は主に以下のものです。
「保管中」の以下の事故
・火災 :例.火災で預かっていた貨物が焼損した。
・破損 :例.預かっていた貨物を運んでいる時に落として、破損した。
・汚損 :例.預かっていた貨物を落とし、汚した。
・紛失 :例.預かっていた貨物を紛失した。
・盗難 :例.倉庫に保管中の貨物が盗難にあった。
※補償内容は保険会社毎に異なります。上記は一般的なものです。
オススメのオプション(特約)
漏水による損害を補償する特約
例.水道管や消火栓、火災の時に作動するスプリンクラーなどから水漏れした。
運送中の損害を補償する特約
例.トラックなどで荷物を運んでいる最中に、お客様の荷物を破損した。
修理や加工の際の損害を補償する特約
例.お客様からお預かりした商品を、修理中や加工中に壊した。
風災・水災を補償する特約
例.台風の突風により倉庫の屋根があり、吹き込んど雨でお預かりした商品が濡れた。
支払われる保険金の種類
損害賠償金
被保険者が支払った損害賠償金の額が補償されます。
お客様からお預かりした商品を破損した場合にかかる修理費用、使用不可となってしまったことに対する損害費用、紛失した品物と同じ商品を再調達する時にかかる費用などが損害賠償として請求されます。基本的にその損害賠償額を受け取れます。
通常は、免責金額(自己負担額)が設定されていますので、その額を差し引いた金額が支払われます。
損害防止費用
事故が発生した場合、それ以上の被害拡大を防止するために発生した費用に対する保険金が支払われます。例えば火災が発生した場合に、消火活動のために使用した消化器を再購入したり、緊急に投入された人員や器材にかかる費用にかかわる費用が対象となります。
権利保全行使費用
会社が第三者から損害賠償を受けることができる場合に、その権利を保全・行使するために必要な手続きにかかる費用も補償されます。弁護士費用、示談交渉などのための内容証明郵便や請求書を送る郵送費用なども含まれます。
緊急措置費用
事故が発生した場合、被害拡大を防止するために費用が発生したが、実は賠償責任がなかったと判明したときに、かかった費用の中で「応急手当・護送・治療・看護・その他緊急措置にかかった費用」と、その他費用でも保険会社と書面による同意を得た費用が補償されます。
協力費用
損害賠償請求について保険会社が解決に向けて事故の対応をした場合、会社が保険会社に協力するためにかかった費用が補償されます。
訴訟等にかかった費用
損害賠償の訴えを起こされた場合等に、裁判費用、弁護士費用、仲裁・和解または調停などにかかった費用が補償されます。
最後に
受託者賠償責任保険(受託賠)は、お客様や取引先など第三者から預かったモノを保管中に、誤って壊したり、紛失したり、盗まれたりした場合に、お客様等への損害賠償責任を補償する保険です。
特約(オプション)に加入しないと補償できない、運送中の事故や水濡れ事故などがありますので、加入される際には注意してください。