自動車保険(個人向け)

よくある疑問(交通事故を起こした時どうすれば良いの?)被害者編

投稿日:2020年5月18日 更新日:

質問:
 交通事故を巻き込まれ、被害者になった際には、どうした
 ら良いのでしょうか。

 

自動車事故で被害者となるケース

自動車事故で完全に被害者になるケースというのは、どんなケースかご存知でしょうか。実は簡単に以下の3つのケースしかありません。ちょっと、意外ですよね。

  1. 停車中に相手にぶつけられた場合
  2. 相手方がセンターラインオーバーでぶつかられた場合
  3. 相手が赤信号を無視した場合

100%被害者になるの意外と狭き門なんですよ。例えば、同じ後ろからの追突であっても、たとえ車前進していたとしても、少しでも動いていれば100%被害事故になりません。社会通念上は、ぶつからない方向に離れているのに変に思われる方も多いと思いますが、実際は過失を問われてしまいます。

上記の3つの場合を除いては、過失を問われるため、事実上被害者でも加害者にも該当することになります。とはいえ、どちらの方が悪いという概念はあります。よく保険会社から、過失割合という言葉を聞くと思います。こちらと相手方で過失割合が3:7などのような言い方をします。

ここでは、「被害者になった」=「ケガをした」や「自動車などに損害があった」ということで書かせていただきます。

 

交通事故にあってケガをした場合

まずは病院で治療を

交通事故に遭って、体のどこか異常を感じたならば、大したことないと思っても早めに病院に行くことをオススメします。事故直後に異常を感じる場合もありますが、翌日以降に症状が出てくるケースもあります。

相手から保険から賠償金を受け取るという意味でも早めの通院が必要です。それほど多くはありませんが、病院に行くのが遅れると、相手方の保険会社から詐病であると疑われる可能性が高くなります。

  

治療費は誰が払うの?

最終的には相手方から賠償金を受け取るとしても、治療費は原則自身で払うことになります。交通事故の患者さんをよく扱っている病院ですと、相手方の保険会社に治療費を請求していただける場合もあります。したがって、交通事故の被害者であることを言って、病院にまずは相談した方が良いと思います。自身で治療費を負担する場合には、領収書を忘れずにもらい、きちんと保管しておきましょう。

自動車保険の「人身傷害保険」などの自身のケガの補償に加入されていることでしたら、自身の保険を使うことができます。自分の保険を使った場合でも、自分の保険会社と相手方の保険会社間で交渉をしてもらえます。したがって、最終的に相手方の保険の範囲内で済んだ場合であれば、一度自身の保険に請求していても、自身の保険を使わないでもらえますので、等級の下落を回避することができます。

 

休業中の生活補償

被害事故にあって、仕事にできないようなケガを負った場合には、相手方の保険会社から休業している分の生活費を支払ってもらえます。休業の必要性の確認や補償額の算定に以下のような書類の提出を求められます。

  • 事故前の収入を証明する資料(給与明細や源泉徴収票、確定申告など) 
  • 休業が必要なことを証明する資料(医師の診断書など)

休業補償の支払われる要件や期間は、相手方の保険会社の判断となります。保険会社も過去の判例などの資料を根拠に判定しますので、そこまで不当な扱いを受けることは稀かと思われます。もし納得ができない場合には弁護士や法律事務所にご相談ください。

 

後遺障害の認定

交通事故によるケガにより後遺障害が残ることがあります。ケガをしている場所や症状に応じて、後遺障害には14つの等級があります。1級が最も重く、14級が最も軽い等級となります。また、相手方からの賠償金もこの等級に応じて支払われます。したがって、等級が高ければ高いほど支払われる保険金も高くなります。ちなみにこれは自賠責制度の中で定められいるため、全保険会社が共通の認識を持っています。

では、この後遺障害の等級はどのように決まるのでしょうか。もちろん保険会社が勝手に決めるものではありません。医師が、医学的にみてこれ以上症状が改善しないと判断したタイミング(これを保険用語では「症状固定」と言います)で、症状が残っている場合に、後遺症として、後遺障害の認定を受けることができます。実は、後遺障害の等級認定は、医師ではなく、損害保険料率算出機構の下部機関である自賠責損害調査事務所という機関が行ないます。

通常の自賠責損害調査事務所への申請は、相手方の保険会社が行ないます。そんなこともあり、この認定結果に不満を持たれる方もいらっしゃいます。一般の方では、、ケガが何級に相当するのか正しく判断することは難しいと思います。後遺症が残っている場合には、弁護士や法律事務所に相談することをオススメします。なお、一度申請して、非該当になった場合でも、異議申し立ては可能です。

  

保険会社を通じての示談交渉

ケガの完治、または後遺症の認定後、相手方の保険会社から、書面で示談金の提示があります。治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料などの各項目毎に損害額を受け取ることになります。

その内容通りで示談を成立させることも可能ですし、その後の交渉をすることも可能です。自身の保険会社に相談して進めてください。本当に納得の行かない場合には、弁護士や法律事務所にご相談ください。

  

自動車等に損害(物損)が発生した場合

まずは損害箇所やその状態を確認してください。その上で保険会社に連絡してください。保険会社では各社優良整備工場の紹介サービスを行なっておりますので、付き合いのある整備工場がなければ、そちらを利用しても良いと思います。自走できない場合は、レッカー車の手配が必要になります。加入している自動車のほとんどはロードアシスタンスサービスが付いてますので、自身の保険会社に相談してください。

特に自走した場合に注意が必要なのですが、修理は相手の保険会社からの了承を得てからにしてください。修理前に相手の保険会社の社員が自動車の査定に修理工場にいらっしゃると思います。

  

最後に

どんなに気をつけていても避けられないのが交通事故です。特にもらい事故で被害者になることもあると思います。被害事故にあった場合に、少しでもお役に立てるよう、このページを作成しました。参考にしていただければ幸いです。

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