質問:
飲酒運転で事故を起こした際、自動車保険では保険金は払
われますか?
飲酒運転だった場合には、自動車保険は使えないと誤った認識を持たれている方が多いと思います。実は、飲酒運転でも保険金が払われる補償があります。結論から申しますと、事故の相手方に対する賠償の補償に関しては、被害者救済の概念から保険金が支払われます。(もちろん、保険金が支払われるから飲酒運転を肯定している訳ではありません。)
飲酒運転でも保険金が支払われる補償
飲酒運転であっても保険金が支払われる保険および補償は以下の通りです。
保険種類 | 補償対象 | 補償内容 |
対人賠償責任保険 | 相手方 | 相手を死傷させてしまったときの相手方に 対する賠償金を補償します。(自賠責の上乗) |
対物賠償責任保険 | 相手方 | 相手の自動車や物に損害を与えてしまったとき の相手方に対する賠償金を補償します。 |
自賠責保険 | 相手方 | 相手を死傷させてしまったときの相手方に 対する賠償金を補償します。 |
上記のように、飲酒運転であっても保険金が支払われる保険はすべて相手方への補償の保険です。被害者救済という観点から、飲酒運転の場合は、相手に補償を行う保険に関して有責としています。
(参考)飲酒運転とは
飲酒運転は、道路交通法に定められている犯罪行為です。以下の条件により、「酒酔い運転」および「酒気帯び運転」に区分されます。
違反行為の種別 | 呼気1Lあたりの アルコール量 | 刑罰 |
酒酔い運転 | 0.25mg以上 | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
酒気帯び運転 | 0.15~0.25mg未満 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
最後に
保険の存在意義の一つに被害者救済というものがあります。したがって、飲酒運転に関しては、その人が飲酒運転をしていることには全く関係ない相手方を救済するため、「対人賠償責任保険」、「対物賠償責任保険」、「自賠責保険」は保険金の受け取りができます。