質問:
交通事故を起こし、相手に怪我を負わせてしまいました。
どうしたらよろしいのでしょうか。
事故直後の対応
交通事故が発生したら、安全な場所を見つけて速やかに車を停め、安全を確保した上で、相手方に負傷者がいないかの確認をします。負傷者がいる場合は、救急車を呼ぶなどの対応が必要です。たとえ負傷者の方が大丈夫だと言っても、少なくとも病院に行ってもらうようにしましょう。後に急に症状が発生することもありますので、病院に行ってもらうことは重要です。
もちろん、警察への忘れずに!
自動車保険に加入されていれば、保険会社への連絡も忘れずに!
相手方の自動車の損傷箇所を確認の上、相手方の許可を得て、写真を撮っておきましょう。
なお、相手にケガを負わさせてしまった場合は、必ず後日自らお見舞いに行くようにしましょう。物損事故であっても、相手に連絡をして体に異常が出ていないか確認するよう必ず相手を気遣うようにしましょう。
その後の対応(自動車保険未加入の場合)
自動車保険に加入していなかった場合、自賠責保険で補償される金額以上を請求されたり、自賠責保険では支払われない損害が発生している場合には、加害者が自分で負担しなければなりません。
自賠責保険では、相手方のケガや亡くなられたときの補償はありますが、物の補償、例えば相手方の自動車の修理代などの補償はありません。また、相手方のケガの補償も120万円までと極めて少額しか補償されません。
また、保険に加入していませんので、自身で損害賠償額や過失割合等について被害者(相手方の保険会社)と交渉を行う必要があります。ほとんどの場合、相手方の保険会社と交渉することになりますので、百戦錬磨の保険会社の社員を相手にするのは極めて困難かと思います。
法曹関係者でなければ、相手方や保険会社から請求された金額が妥当か否か判断できないことも多いと思います。その場合には弁護士や法律事務所にご相談してください。
ほとんどがこの分野の知識が豊富であるという訳ではないと思います。いくら金銭的に余裕であっても、自分で交渉しなければならないことを考慮すると、最低金額でも保険に加入しておくことが重要です。
その後の対応(自動車保険加入済みの場合)
自動車保険に加入している場合、保険会社が相手方との交渉を行なってくれます。自分で損害賠償額や過失割合等について被害者と交渉を行う必要はありません。適宜交渉の方向性について保険会社から連絡が来ると思いますので、自分の保険会社を通して交渉しましょう。
なお、自動車事故でよく揉める点に、事故車両の新車への買い換えを相手方が請求してきた場合あります。日本の法律では、相手方への賠償は時価(その車を使用したことによる減価をみこんだ金額)まで補償すれば良いことになっています。ですので、保険会社も新車への買い換え費用まで補償してくれないことがあります。
最後に
万一自動車事故で、相手方にケガをさせた場合に重要なことは、相手の気遣いであると思います。事故を起こしてしまった直後ももちろんのこと、後日お見舞いに行く際や電話で話す機会がある場合にも、相手のケガなどの調子を気にかける言葉が重要です。金銭面の争点はあるものの、円満な解決にはこのようなちょっとしたこと最も大切です。