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このページでは、定期自主検査・機械に関する危険性等の通知について解説します。特定機械等及びこれに次いで危険又は有害な作業を必要とする機械等の安全性を確保するためには、事業者が自主的にその機能をチェックし、異常の早期発見と補修等を行うことが重要です。そこで設けたられたのが、定期自主検査の規定です。また、これらの機械を譲渡または貸与する場合には、危険情報を譲渡又は貸与を受ける者に通知するよう努める必要があります。このページでは、「定期自主検査」と「機械に関する危険性等の通知」について解説します。
本題に入る前に、機械の分類について復習していきます。
機械等の分類
機械等は、以下の3つに分類されます。①8種類の特定機械等は特に危険なものとして定義されており、様々な規制があります。
①8種類の特定機械等
特に危険な作業に必要とするものとして、8種類の特定機械等があります。「製造の許可」、「検査」、「使用等の制限」の3つの厳しい制限があります。
②50種類の機械等
危険又は有害な作業に必要とするものとして、50種類の機械等があります。「譲渡等の制限」、「局所防護措置(動力駆動のあるもの)」、「検定(一定のもの)」の3つの制限があります。
③その他の一般機械
上記①又は②以外の機械を指します。製造等の制限がありません。
定期自主検査
定期自主検査について解説します。特定機械等及びこれに次いで危険又は有害な作業を必要とする機械等の安全性を確保するためには、事業者が自主的にその機能をチェックし、異常の早期発見と補修等を行うことが重要です。そこで設けたられたのが、定期自主検査の規定です。
①「定期自主検査」(45条①,令15,則135の2)
事業者は、ボイラーその他の機械等で、政令で定めるものについて、定期的に自主検査を行ない、及びその結果を記録(原則として3年間保存)しておかなければなりません。
※厚生労働大臣は、定期自主検査の適切かつ有効な実施を図るため必要な自主検査指針を公表する(法45③)
※事業者は、定期自主検査の結果、異常を認めた場合には、補修その他の措置を講じなければならない(則137等)
●定期自主検査が必要な機械等(全38種類)
❶特定機械等
❷第二種圧力容器、小型ボイラー、小型圧力容器
❸つり上げ荷重が0.5トン以上3トン未満のクレーン・移動式クレーン
❹動力により駆動されるシャー(鋼板等の剪断機のこと)
❺ジョベルローダー、フォークローダー、ストラドルキャリヤー 等
②「特定自主検査」(45条②,令15②)
特に検査が技術的に難しく、大きな災害をもたらすおそれのある機械等の定期自主検査については、事業者は、次の①又は②の者に検査(特定自主検査)を実施させなければなりません。
①自己の使用する労働者で厚生労働省令で定める資格を有するもの
②検査業者
※資格を有する者:一定の実務経験を有し、厚生労働大臣が定める研修を修了したもの等が該当します。
※検査業者:厚生労働省又は都道府県労働局に備える検査業者名簿に登録を受け、他人の求めに応じて
特定自主検査を行う者。
●特定自主検査が必要な機械等(全5種類)
❶動力により駆動されるプレス機械
❷フォークリフト
❸車両系建設機械(ブル・ドーザー等)
❹不整地運搬車
❺作業床の高さが2メートル以上の高所作業車
特定自主検査の出題ポイント
❶特定機械等は、特定自主検査の対象外です。
❷特定自主検査を実施されることができるのは、2種類の者のみです。
(①自己の使用する労働者で厚生労働省令で定める資格を有するもの
②検査業者)
❸検査標章(則135の3④,151の24⑤,169の2⑧)
(特定自主検査を行った事業者は、機械等の見えやすい箇所に貼らな
ければならない)
●検査時期は?
1ヶ月以内毎に1回 | 特定機械等のボイラー、第1種圧力容器等 |
1年以内毎に1回 | 特定機械等のクレーン、デリック等 特定自主検査を行うべき機械等 |
2年以内毎に1回 | 不整地運搬車 |
機械に関する危険性等の通知(則24の13)
機械を譲渡し、又は貸与する者(機械譲渡者等)は、文書の交付等により当該機械のに関する危険情報を、当該機械の譲渡又は貸与を受ける者(相手方事業者)に通知するよう努めなければなりません。
●危険情報(通知事項)
1 | 型式、製造番号その他の機械を特定するために必要な事項 |
2 | 機械のうち、労働者の危険・健康障害を生ずるおそれのある箇所に関する事項 |
3 | 機械に関する作業のうち、上記②の箇所に起因する危険・健康障害を生ずるおそれのある作業に関する事項 |
4 | 上記③の作業ごとに生ずるおそれのある危険・健康障害のうち最も重大なものに関する事項 |
5 | その他参考となる事項(作業に必要な資格・教育等) |
機械に関する危険性等の通知の出題ポイント
❶この規定の対象となる「機械等」は、危険を及ぼし、又は労働者
の健康障害をその使用により生ずるおそれのあるすべての機械
❷この規定は、機械ユーザーがリスクアセスメントを適切かつ有効
に実施することを目的として、機械メーカー等に対して機械に
関する危険情報の通知を努力義務として課したものです。