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【社労士試験】労働安全衛生法24(特定機械等以外の機械等に関する規制②)

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このページでは、特定機械等以外の機械等の規制について解説します。所定の規格等を具備しているかの「個別検定」と「型式検定」があります。このページでは、「個別検定」と「型式検定」について解説します。

本題に入る前に、機械の分類について復習していきます。

機械等の分類

機械等は、以下の3つに分類されます。①8種類の特定機械等は特に危険なものとして定義されており、様々な規制があります。

①8種類の特定機械等

特に危険な作業に必要とするものとして、8種類の特定機械等があります。「製造の許可」、「検査」、「使用等の制限」の3つの厳しい制限があります。

②50種類の機械等

危険又は有害な作業に必要とするものとして、50種類の機械等があります。「譲渡等の制限」、「局所防護措置(動力駆動のあるもの)」、「検定(一定のもの)」の3つの制限があります。

③その他の一般機械

上記①又は②以外の機械を指します。製造等の制限がありません。

 

 

「個別検定」と「型式検定」

特定機械等以外の機械等の規制について解説します。「譲渡等の制限」、「局所防護措置等」の規制があります。この制限について解説していきます。

①「個別検定」と「型式検定」(44条,44条2)

特定機械等以外の機械等のうち政令で定めるものについては、所定の規格等を具備しているか否かを専門的な能力を有する機関において確認することとされています。

検定には次の2つがあり、それぞれ対象となる機械等を製造または輸入した者が申請をして、検定を受けなければなりません。

個々の機械等について行う個別検定
大量生産されたものについてサンプルチェックを行う型式検定

 

②「個別検定」(44条)

個々の機械等について行う個別検定については44条に以下のように定めています。

(44条)第四十二条の機械等(次条第一項に規定する機械等を除く。)のうち、別表第三に掲げる機械等で政令で定めるものを製造し、又は輸入した者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の登録を受けた者(以下「登録個別検定機関」という。)が個々に行う当該機械等についての検定を受けなければならない
2 前項の規定にかかわらず、同項の機械等を輸入した者が当該機械等を外国において製造した者(以下この項において「外国製造者」という。)以外の者(以下この項において単に「他の者」という。)である場合において、当該外国製造者が当該他の者について前項の検定が行われることを希望しないときは、当該外国製造者は、厚生労働省令で定めるところにより、自ら登録個別検定機関が個々に行う当該機械等についての検定を受けることができる。当該検定が行われた場合においては、当該機械等を輸入した者については、同項の規定は、適用しない。
3 登録個別検定機関は、前二項の検定(以下「個別検定」という。)を受けようとする者から申請があつた場合には、当該申請に係る機械等が厚生労働省令で定める基準に適合していると認めるときでなければ、当該機械等を個別検定に合格させてはならない。
4 個別検定を受けた者は、当該個別検定に合格した機械等に、厚生労働省令で定めるところにより、当該個別検定に合格した旨の表示を付さなければならない
5 個別検定に合格した機械等以外の機械等には、前項の表示を付し、又はこれと紛らわしい表示を付してはならない
6 第一項の機械等で、第四項の表示が付されていないものは、使用してはならない
(昭五二法七六・昭五八法五七・平一一法八七・平一一法一六〇・平一五法一〇二・一部改正)

 

③「型式検定」(44条2)

大量生産されたものについてサンプルチェックを行う型式検定については、44条2に以下のように定められています。

(44条2)第四十二条の機械等のうち、別表第四に掲げる機械等で政令で定めるものを製造し、又は輸入した者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の登録を受けた者(以下「登録型式検定機関」という。)が行う当該機械等の型式についての検定を受けなければならない。ただし、当該機械等のうち輸入された機械等で、その型式について次項の検定が行われた機械等に該当するものは、この限りでない。
2 前項に定めるもののほか、次に掲げる場合には、外国において同項本文の機械等を製造した者(以下この項及び第四十四条の四において「外国製造者」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、当該機械等の型式について、自ら登録型式検定機関が行う検定を受けることができる
一 当該機械等を本邦に輸出しようとするとき。
二 当該機械等を輸入した者が外国製造者以外の者(以下この号において単に「他の者」という。)である場合において、当該外国製造者が当該他の者について前項の検定が行われることを希望しないとき。
3 登録型式検定機関は、前二項の検定(以下「型式検定」という。)を受けようとする者から申請があつた場合には、当該申請に係る型式の機械等の構造並びに当該機械等を製造し、及び検査する設備等が厚生労働省令で定める基準に適合していると認めるときでなければ、当該型式を型式検定に合格させてはならない。
4 登録型式検定機関は、型式検定に合格した型式について、型式検定合格証を申請者に交付する
5 型式検定を受けた者は、当該型式検定に合格した型式の機械等を本邦において製造し、又は本邦に輸入したときは、当該機械等に、厚生労働省令で定めるところにより、型式検定に合格した型式の機械等である旨の表示を付さなければならない。型式検定に合格した型式の機械等を本邦に輸入した者(当該型式検定を受けた者以外の者に限る。)についても、同様とする。
6 型式検定に合格した型式の機械等以外の機械等には、前項の表示を付し、又はこれと紛らわしい表示を付してはならない
7 第一項本文の機械等で、第五項の表示が付されていないものは、使用してはならない。
(昭五二法七六・追加、昭五八法五七・平一一法一六〇・平一五法一〇二・一部改正)

※型式とは、独自の型、モデルのことを言います。機械等の種類、形状、性能等の組み合わせにおいて共通の安全性能を持つ1つのグループに分けられるものを言います。

④「個別検定」と「型式検定」(別表3,4,令14,14の2)

対象となる機械
個別検定❶ゴム、ゴム化合物又は合成樹脂を練るロール機及び
 その急停止装置のうち電気的制動方式のもの
第二種圧力容器
小型ボイラー
小型圧力容器
型式検定❶ゴム、ゴム化合物又は合成樹脂を練るロール機及び
 その急停止装置のうち電気的制動方式以外の制動方式のもの
❷プレス機械又はシャーの安全装置
❸防爆構造電気機械器具
❹クレーン又は移動式クレーンの過負荷防止装置
防じんマスク
防毒マスク
❼絶縁用保護具
❽絶縁用防具
❾保護帽
➓電動ファン付き呼吸用保護具  など13種類

検定機関については、「個別検定」と「型式検定」それぞれ「登録個別検定機関」と「登録型式検定機関」にて検定が実施されます。「登録個別検定機関」は、申請に係る機械等が所定の基準に適合していると認めるときでなければ、個別検定に合格させてはなりません。また、「登録型式検定機関」は、申請に係る型式の機械等の構造及び製造・検査する設備等が所定の基準に適合していると認めるときでなければ、型式検定に合格させてはなりません。

 

⑤検定合格の表示等(44条④〜⑥,2④〜⑦)

個別検定の場合

個別検定を受けた者は、合格した機械等に、個別検定に合格した旨の表示を付さなければなりません。(特に有効期限はありません。)また、この表示を付されていない機械等は、使用してはなりません

(44条)
4 個別検定を受けた者は、当該個別検定に合格した機械等に、厚生労働省令で定めるところにより、当該個別検定に合格した旨の表示を付さなければならない
5 個別検定に合格した機械等以外の機械等には、前項の表示を付し、又はこれと紛らわしい表示を付してはならない
6 第一項の機械等で、第四項の表示が付されていないものは、使用してはならない
(昭五二法七六・昭五八法五七・平一一法八七・平一一法一六〇・平一五法一〇二・一部改正)

個別検定合格の表示方法(検定則5)
❶ゴム、ゴム化合物又は合成樹脂を練るロール機及びその急停止装置のうち電気的制動方式のもの
  ⇨機械等の見やすい箇所に個別検定合格標章を付す
第二種圧力容器,❸小型ボイラー,❹小型圧力容器
  ⇨機械等の見やすい箇所に刻印を押し、又は刻印を押した銘板を取り付ける

※個別検定の場合は、合格証は交付されない。合格した個々の機械等に、一定の様式による合格した旨の表示(マーク等)をすればよいです。

 

型式検定の場合

登録型式検定機関は、型式検定に合格した型式について、型式検定合格証を交付します。(合格証には有効期限があります。)型式検定を受けた者は、合格した型式の機械等を製造し、又は輸入したときは、当該機械等に、型式検定に合格した型式の機械等である旨の表示を付さなければなりません。また、この表示を付されていない機械等は、使用してはなりません

(44条2)
4 登録型式検定機関は、型式検定に合格した型式について、型式検定合格証を申請者に交付する
5 型式検定を受けた者は、当該型式検定に合格した型式の機械等を本邦において製造し、又は本邦に輸入したときは、当該機械等に、厚生労働省令で定めるところにより、型式検定に合格した型式の機械等である旨の表示を付さなければならない。型式検定に合格した型式の機械等を本邦に輸入した者(当該型式検定を受けた者以外の者に限る。)についても、同様とする。
6 型式検定に合格した型式の機械等以外の機械等には、前項の表示を付し、又はこれと紛らわしい表示を付してはならない
7 第一項本文の機械等で、第五項の表示が付されていないものは、使用してはならない。
(昭五二法七六・追加、昭五八法五七・平一一法一六〇・平一五法一〇二・一部改正)

※型式検定合格証の有効期限:原則3年 (検定則10)
 (粉じんマスク及び防毒マスク5年
※型式検定合格の表示の方法(検定則14)
  対象となる機械等すべての見やすい箇所に型式検定合格標章を付す

なお、型式検定に合格した場合でも、その型式の機械等の構造又は製造・検査する設備等が型式検定合格基準に適合していないと認められないとき等は、厚生労働大臣は、型式検定合格証の効力を失わせることができます。

 

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