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日経TESTの5つの評価軸の1つのKnowledge(実践知識)では、ビジネスパーソンが課題解決のために必要な実践的な知識が身についてるかどうかを測る評価軸です。この評価軸でよく出題されるのが、「電機・精密・電子部品」です。このページでは「電機・精密・電子部品」についてよく出題される部分について解説していきます。
日経TESTに関しては、以下のリンク先をご確認ください。
日本企業の全盛期・衰退期
全盛期時代
電機産業は、自動車とともに日本の産業の柱でした。
電機大手8社体制
総合電機(家電から重電までのフルライナップを揃える)
・日立
・東芝
・三菱電機
それ以外
・パナソニック
・ソニー
・シャープ
・富士通
・NEC
衰退期
家電事業や半導体事業のコモディティ化が進むと、中国、韓国、台湾のメーカーに市場を奪われました。
・シャープの台湾の鴻海精密工業の子会社化(2016年)
・東芝の白物家電とテレビ事業の売却
B to B 事業に大きくシフトしています。
日本企業の現在
日立製作所
リーマンショックにおいて、日本の製造企業最悪の赤字を計上した日立製作所は、事業の選択と集中でV字回復を達成しました。
インフラ部門やITサービス部門への選択と集中を実施しました。
・鉄道車両を手掛ける企業の買収(2016-18)
・スイスのABB社の部門を買収し送電事業に乗り出した(2019)
・IoTサービス部門の基盤「ルマーダ」の事業拡大
パナソニック
カンパニー制を採用して、以下の事業に選択と集中を実施しました。
・オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
:電池、車載機器、電子部品など
・アプライアンス :白物家電、テレビ
・エコソリューション:住宅分野
テスラと提携して車載電池事業に投資していたが、テスラ以外の車載電池と住宅事業はトヨタ自動車と事業統合した。また、液晶パネルと半導体事業から撤退した(2019.11)
ソニー
主力はゲーム部門。PS4は累計販売台数1億台を超えました。ソフトや音楽を含めて「継続課金」で儲けるリカーリングで収益をあげています。
三菱電機
ファクトリーオートメーション(FA)機器や自動車機器分野で経営資源を投入しています。特許出願件数は2位(1位は中国のファーウェイ)で、開発に資金を投じています。産業メカトロニクスに強い。
武田薬品工業
武田薬品工業は、230余年の歴史を持つ売上高国内首位のグローバル製薬企業です。70カ国以上におよぶグローバルな事業基盤を持ち、世界における売上高では16位となっています。
主な事業は、連結売上高の約9割を占める 「医療用医薬品事業」と、「コンシューマーヘルスケア事業」で、特にオンコロジー(がん)領域のリーダーを目指すとともに、消化器系疾患(GI)領域におけるイノベーションにも挑戦し続けています。
研究開発費における投資額でも国内トップに。平成27年度は売上高の19.1%に当たる3,459億円を投じるなど、世界レベルの研究開発や京都大学iPS細胞研究所とのパートナーシップなど、積極的な取り組みを行っています。
2019年1月にアイルランドの製薬大手シャイアーを買収しました。シャイアーは、血液や免疫系の患者数が少ない希少患者の治療薬を手がけている企業で、その分野の技術・市場の獲得のため買収したと言われています。
アステラス製薬
2005年に山之内製薬と藤沢医薬品工業が合併して発足した企業。医薬品の研究、開発、製造、そして販売を一貫して行い、国内売上高ランキングでは第2位となっています。
海外においては売上高で18位につけており、アメリカ、ヨーロッパ、アジア・オセアニアを中心に世界50か国に自社の販売網を擁し、グローバル事業を幅広く展開。売上高に占める海外売上高の割合は63.8%で国内トップ。
また、同社の特徴は「医薬品事業」に経営資源を集中していること。新薬の研究開発に積極的に取り組んでおり、中でも「泌尿器」「免疫疾患および感染症」「精神・神経疾患」「糖尿病合併症および代謝性疾患」「がん」という5つの領域を重点研究領域として創製を行っています。
その他
企業名 | 内容 |
富士通 | 半導体事業・パソコン事業を縮小。ITサービスやクラウド に集中。理化学研究所(理研)と共同で次世代スーパーコン ピュータ「富岳」を開発。 |
NEC | 半導体事業・パソコン事業を縮小。ITサービスやクラウド に集中。 |
キャノン | 旧東芝メディカルシステムズから医療機器分野を買収。 CTやMRIなどに注力。 |
富士フィルム | デジカメやレンズ交換式カメラを販売。 再生医療分野に投資。米国セルラー・ダイナミクス・ インターナショナルや日立製作所からヘルスケア事業を 買収。ヘルスケア事業の売上は1兆円を超えました。 |
コニカミノルタ | 遺伝子診断事業に投資。米国アンブリー・ジェネティクス などを子会社化(2017)。 |
島津製作所 | がんの早期発見や認知症の原因を探る技術開発を強化。 アルツハイマーの原因物質と思われる「アミロイドβ」 の受託解析を開始した。(ノーベル化学賞を受賞した 田中耕一の技術が使われている) |
村田製作所 | 積層セラミックコンデンサー(MLCC)を製造。スマホ や自動車の電装化に使用。太陽誘電などが好調。 |
東京エレクトロン | 半導体製造装置 |