「フリート契約」と「ノンフリート契約」の契約の違いは？

自動車保険には「フリート契約」と「ノンフリート契約」の２種類があります。

「フリート契約」とは、自動車の所有台数が１０台以上の場合の自動車保険の契約方式です。一方、自動車の所有台数が９台以下のときの自動車保険の契約方式を「ノンフリート契約」と呼びます。したがって、「フリート契約」と「ノンフリート契約」のどちらかを選択できる訳ではありません。

このページでは、「フリート契約」と「ノンフリート契約」の違いについて解説します。

　

「フリート契約」と「ノンフリート契約」の違い

	フリート契約	ノンフリート契約
契約台数	１０台以上	９台以下
割引率	最大８０％	最大６３％
多数割引	5％	台数・保険会社に よって異なる。

　

契約台数

契約台数に関しては、冒頭に説明した通り、自動車の保有台数が10台以上であれば「フリート契約」、9台以下であれば「ノンフリート契約」となります。

「所有」とは、自動車を所有・使用・管理していること意味します。具体的には、車検証に記載している所有者のことを指します。

ただし、リースカーやローン返済途中の自動車は、車検証の所有者の名義が車両を貸し出している企業の名義（リース会社やローン会社）になっていますこの場合は、使用者欄（実際に自動車を使っている企業）に記載されている企業（または個人）が「所有」としてみなされます。言い替えると、リースカーやローン返済途中の自動車の所有台数に含めることができます。

　

割引率

タイプ名	台数	制度概要	割引の算出単位	年齢条件 割引
フリート	10台以上	契約者単位での 割引制度	契約者単位での 受取保険金と 支払保険料の割合	なし
ノンフリート	9台以下	自動車単位での 等級制度	自動車単位での 事故件数	あり

フリート契約は、契約者単位、つまり全車両共通で同一の割引が適用されます。また、この割引率は受け取った保険金の金額と支払った保険料の割合で決定されます。一方、ノンフリート契約は、個人の自動車保険と同様、自動車１台単位で等級（割引）が決定されます。また、この等級（割引率）は前年の等級と事故の件数で決まります。

したがって、フリート契約とノンフリート契約で、どっちが有利か不利かは言い切れません。例えば、前年に１件の事故が起こしてしまったケースにおいて、その事故が小さい事故であろうと大きな事故であろうとも、ノンフリート契約であれば、該当の事故を起こした車両の等級は下がります。一方、フリート契約であれば、小さい事故であれば前年と同率の割引を適用できることもありますし、大きな事故であれば、全ての車両の割引率が下がる可能性もあります。（フリート契約の場合、割引は契約者単位であるため）

　

多数割引

自動車保険では、1つの保険契約で自動車を複数保有している場合、多数割引を適用することができます。

「フリート契約」では、１０台以上を１契約で加入すれば、５％の多数割引が適用できます。「ノンフリート契約」は、割引率は台数や保険会社によって異なりますので、複数の保険会社の見積もりを取って比べることをオススメします。

　

秘密の割引はあるのか？

実は、「フリート契約」には、保険会社毎の特別な割引があります。運転する方を従業員に限定したり、業務中に限定したり、事故の担当窓口を特定するなどの様々な割引が適用されます。

しかし、このような割引を使うためには、保険会社内で稟議を通す必要あるなどの理由より、他社との相見積もりなどの状況でなければ適用しないことが多いとういうのが内情です。

あえて、相見積もりを取って、この秘密の割引を引き出すことをオススメします。

一方、「ノンフリート契約」は、ルールが厳格であるため、そのような秘密の割引はありません。

　　

最後に

冒頭にて説明した通り、「フリート契約」と「ノンフリート契約」は所有台数で決まります。したがって、選択できる訳ではありません。「フリート契約」は、秘密の割引がありますので、相見積もりを取ることをオススメします。