日経TESTの5つの評価軸の1つのKnowledge(実践知識)では、ビジネスパーソンが課題解決のために必要な実践的な知識が身についてるかどうかを測る評価軸です。この評価軸でよく出題されるのが、「農産物(大豆)」です。このページでは「農産物(大豆)」についてよく出題される部分について解説していきます。
日経TESTに関しては、以下のリンク先をご確認ください。
農産物の生産・消費・流通
各国の生産量と消費量
アメリカやブラジルは大豆の2大生産国です。それぞれの国内で食用として使われるのは1割未満です。海外では油脂やバイオディーゼル燃料、家畜の飼料など食用以外の用途でほとんど消費されています。
一方、日本では、その消費量の3割が食用となります。日本人は古来より豆腐や納豆、みそ、しょうゆなどの食文化を育み、この栄養豊富な食材を活用してきました。
世界の大豆生産量・消費量ランキング
<生産>はアメリカとブラジル
<消費>は中国が最大
現在、世界の大豆生産量は年間約3.2億トンに達していますが、その用途は主に搾油です。国別では、アメリカ、ブラジル、アルゼンチンの南北アメリカ3国で世界の生産量の約8割を占めます。
輸出量もアメリカとブラジルがともに約3割と拮抗しています。
世界最大の消費・輸入国は近年、中国です。特に大豆油や飼料用として世界の貿易量の約6割を占めます。
日本における大豆生産・消費
日本の大豆生産量は平均すると年間20万トンほどです。
日本は中国から伝わった大豆を自国の食文化に取り込み、根づきました。
19世紀「黒船」で日本を訪れた東インド艦隊司令長官のマシュー・ペリーは、その大豆を日本から母国のアメリカに持ち帰りました。以来、アメリカでは搾油(さくゆ)用や飼料用として需要が高まり、やがて一大生産国となります。
昭和44年以降、転作作物として位置づけられてから、田作による作付面積が増加しました。
1973年、アメリカの大豆輸出規制により、輸入大豆のほとんどをアメリカに頼っていた日本では豆腐の価格が高騰。買い占め騒動まで起きます。そこで、輸入国の多角化を模索した田中角栄首相(当時)が着目したのがブラジルでした。
同国の内陸部には「セラード」という熱帯サバンナが広がっています。日本国土の5倍以上の広さがありながら、不毛の大地とされていたセラードで日本とブラジルの共同事業が始まったのが1979年です。
さっそく事業計画や資金、技術の面で協力すると、700戸以上の農家が入植し、開拓。その結果、セラード産の大豆は総生産量の6割以上までになりました。このブラジルでの大豆生産の拡大は世界の食料需給に大きく貢献しています。
生産量が最も多い都道府県は北海道で、これに宮城県、佐賀県が続きます。
国産大豆は品質が評価され、ほぼ全量が食用となっており、豆腐・油揚げ、納豆、煮豆などに加工されます。
食用大豆の約2割のシェアにとどまっている国産大豆ですが、消費者の安全・安心を求める声などにより、その割合は伸びる傾向にあります。
ただし、供給量が不安定という課題もあります。大豆は湿害に弱く、特に関東以西では麦の収穫後に大豆を播種(はしゅ)するため、梅雨が重なって発芽不良やまき遅れが生じがちです。
政府は「食料・農業・農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)で、大豆の生産努力目標を32万トンと設定。水田活用の直接支払交付金による支援、ほ場の排水対策や新品種の開発などに取り組んでいます。
大豆の需要量と国産大豆の用途
豆知識
枝豆は大豆を未成熟のうちに収穫して食べるようにしたものなので、大豆が穀物であるのに対し、枝豆は野菜として出荷されます。
国内生産量は6.7万トン、輸入量はそれを上回る7.1万トンで、自給率は5割弱です。主な輸入先は台湾、タイ、中国で、そのほとんどが冷凍加工された状態で日本に輸出されています。