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日経TESTの5つの評価軸の1つのKnowledge(実践知識)では、ビジネスパーソンが課題解決のために必要な実践的な知識が身についてるかどうかを測る評価軸です。この評価軸でよく出題されるのが、「地銀再編(合併特例法)」です。このページでは「地銀再編(合併特例法)」についてよく出題される部分について解説していきます。
日経TESTに関しては、以下のリンク先をご確認ください。
地銀の再編
人口減少や超低金利で地方銀行の経営は極めて厳しくなっています。さらに2020年は新型コロナウイルスの感染拡大による地方経済への打撃は大きく、2021年も地銀の厳しい収益環境は続く見通しになっています。菅義偉首相が地銀再編を打ち出したのをきっかけに、政府と日銀は地銀に対し合併や経営統合を支援する異例の政策を進めています。
2019年度は将来の健全性に不安のある地銀を10行程度に絞り込み、経営改善を求める仕組みを設立しました。収益力に課題を抱える地銀の経営陣らと再生策を議論しています。
2020年11月27日に同じ県内の地銀の合併や統合を促す独占禁止法の特例法が施行されました。地銀の経営基盤を強化し、地域企業の付加価値の向上や存続を図ってもらうための施策です。同じ県内の地銀同士が合併して貸し出しシェアが高くなっても容認されるようになりました。このような動きの中で地域ナンバーワンになるのが生き残りの条件であるという見方も強くなっています。今後縮小する商圏を各行が奪い合うことになりますので、各行が急ピッチで経営統合を進めています。
県内のシェアが高まることで優位な立場を利用した不当な金利の引き上げを禁止し、顧客の利便性が損なわれないようにする規定も盛り込んでいます。適用期間は10年間で集中的に地銀の経営改善を促進します。
2021年には、合併・統合する地銀を対象にシステム統合費用などを補助する制度を今夏にも導入する予定になっています。
地方銀行の提携および業務提携
2016年4月1日 | コンコルディアFG | 横浜銀行、東日本銀行 |
2016年10月1日 | めぶきFG | 常陽銀行、足利HD |
2016年10月1日 | 西日本フィナンシャルHD | 西日本シティ銀行、長崎銀行 |
2020年1月1日 | 徳島対象銀行 | 徳島銀行、大正銀行 |
2020年10月1日 | 十八親和銀行 | 十八銀行、親和銀行 |
2021年1月1日 | 第四北越銀行 | 第四銀行、北越銀行 |
2021年5月1日 | 三十三銀行 | 三重銀行、第三銀行 |
日本銀行の施策
日本銀行も地域金融機関を支援する新たな制度を始める予定です。地方銀行や信用金庫を対象に、経営統合や経費削減に踏み切れば日本銀行に預ける当座預金に年0.1%の上乗せ金利を付けるというものです。政府と一体となり金融機関に抜本的な経営改革を促進する狙いがあります。
上乗せ金利を受け取るには、経営基盤の強化に向けて、次の2つのいずれかを満たす必要があります。
(1)収益力の向上や経費削減の実施
(2)合併や他行の連結子会社化など
収益力の向上や経費削減の指標とするのは、本業の粗利益に対する経費の割合(OHR)です。2019年度と比べた2022年度の改善率が4%以上になることが条件となっています。なお、対象は2023年3月末までに合併を決めることが条件になっています。