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テレマティクス保険とは?メリットは?

投稿日:2020年6月21日 更新日:

現代様々なものがインターネットが繋がり(「IoT(Internet of Things)」と呼ばれている)、世の中いろんな意味で便利になっています。

自動車に関しても、通信機能を備えた機器を搭載して、各種情報を送受信するシステムを利用した「テレマティクス」サービスが登場しています。

このページでは、「テレマティクス」の活用について、車両管理や保険サービスなどについて解説します。

 

テレマティクスとは(自動車の情報提供サービス)

「テレマティクス」(telematics)とは、「車両に搭載したカーナビやGPS機能や振動感知機能を搭載した機器を、通信システムを利用してインターネットに接続し、さまざまな情報を管理したり、関連サービスを提供すること」を指します。

なお、通信(Telecommunication)と情報科学(Informatics)を文字って「テレマティクス」と呼んでいます。

地図アプリが良い例です。地図アプリは、カーナビには通信機能が備わっているだけでなく、天候情報や渋滞情報などをリアルタイムで取得することができます。最近では、遠隔操作によるドアロックや、スマホでの停車場所の確認、事故が起きた場合の通報など、テレマティクスによるサービスが向上しています。

 

テレマティクスサービスの内容

テレマティクスサービスを導入すると、以下のような機能を使えます。

・車両の管理
・渋滞の予測
・運転データの記録
・リアルタイムな車両位置の把握(GPS情報)
・最適なルート予測
・事故の多い地点のアラート
・車間距離アラート                など

テレマティクスサービスを利用することで、車両管理の効率化が可能になります。どの車両がどの地点にあるかを管理できるため、最も効率的な車両の利用ができるようになります。運行日報の管理の廃止、ガソリン代や人件費の削減はもちろん車両自体の台数を減らすことで管理コストを削減できます。

一つの車両に注目した場合でも、日々変化する道路状況に応じた目的地までのルートの選択が可能になります。工事中で通行止めになっていたり、渋滞が発生している場所を回避して、最短のルートを選択することができます。

さらに、テレマティクスサービスを利用することで、ドライバーの安全性を向上させることもできます。事故の多いルートを回避したり、急発進・急ブレーキ・急ハンドル、車間距離、制限速度超過に対するアラート機能を通じて、より安全な運転が可能になります。また、長時間運転に対するアラート機能などドライバーの健康面をサポートする機能も追加されています。

 

テレマティクス保険とは

近年は、テレマティクスで記録したデータに基づき、保険料を算定する「テレマティクス保険」という新たな自動車保険も誕生しています。テレマティクス保険は、「運転日時」「運転距離」「急発進・急ブレーキ」「急ハンドル」「速度超過」などのデータを基に運転の危険度が判定され、その判定を基に保険料が算出されます。保険料の算出方法は、PAYD(走行距離連動型)PHYD(運転行動連動型)に分かれており、リスクに応じた詳細な保険料設定が行われるという仕組みです。

PAYD(走行距離連動型)の場合、毎日業務で自動車を使うなどの走行距離が長い方は保険料が高く、週末にしか自動車を運転しないような走行距離が短い方は保険料が安くなる仕組みです。PAYD(走行距離連動型)はインターネット型(通販型)の保険によく見られます。

一方、PHYD(運転行動連動型)の場合、急発進・急ブレーキといった危険運転が多いと保険料が高くなり、運転の安全性を基に保険料を算出する仕組みになっています。そのため、安全運転の促進や事故の減少効果があるとして注目されています。大手の保険会社が多く採用しています。テレマティクス付きのドラレコを貸与する形で提供する保険会社が多いです。

 

テレマティクス保険の起源

テレマティクス保険は、米国の保険会社「Progressive」社が1992年から研究に着手したのが始まりとされています。

「Progressive」社 は、1990年代後半から2000年代前半に「Autograph」という商品の開発を行い、1200のデバイスを使用した実験をテキサス州で実施しました。この実験で、「走行距離」「速度」「走行の時間帯」といったデータを取得・分析したところ、走行距離と交通事故のリスクに相関関係があるという結論に至りました。PAYD型(走行距離連動型)の自動車保険の起源になってます。

 

テレマティクス保険の現状

PHYD(運転行動連動型)の自動車保険、つまり、危険運転などのデータを用いた自動車保険の端緒は、2018年にあいおいニッセイ同和がトヨタ自動車と共同で開発した、運転挙動反映型の自動車保険です。

コネクティッドカーから走行データを取得し、毎月の走行距離や運転手の特性(速度超過・急アクセル・急ブレーキなど)に応じて、保険料割引を適用する仕組みになっています。

一方、東京海上日動では、オリジナルのドライブレコーダーを活用した「ドライブエージェントパーソナル」というテレマティクス保険を販売しています。

天候状況や渋滞状況、過去の運転特性を踏まえた上で、安全運転の注意喚起を行ってくれる機能がついている保険です。また、強い衝撃が加わった際に自動で事故受付センターに連絡するサービスなど、テレマティクスだからこそ可能なサービスも付いています。

損保ジャパンや三井住友海上なども同様のサービスを追随して提供おり、大手保険会社各社独自のPHYD(運転行動連動型)の自動車保険を提供している状況です。

 

最後に

インターネットが繋がったドラレコなどの端末やスマホなどを用いたテレマティクス保険は、リスクの高い方は保険料が高くなり、リスクの低い方は保険料が安くなる合理的な保険です。5Gの一般化も進んでいくことが予測される、将来において、情報技術の発展と共に普及していくことが予測されます。

PAYD(走行距離連動型)を採用しているインターネット型(通販型)の保険、PHYD(運転行動連動型)を採用している大手保険会社のテレマティクス保険、どちらがあなたにとってメリットあるか一度検討してみる機会にしてみてはいかがでしょうか。掛け金を安く抑えることもできるかもしれません。

 

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