東京海上・超ビジネス保険の特約の不良品・納期遅延による他人の経済損害事故補償特約

超ビジネス保険（賠償責任に関する補償：生産物・完成作業事故の補償）の「不良品・納期遅延による他人の経済損害事故補償特約」は、中小企業にとっては有効な特約と言われています。同様の補償の保険は以前よりありましたが、かつては大企業向けのオーダーメイド型の商品でした。この補償を中小企業でも加入できるようになったこと自体画期的です。

このページでは、「不良品・納期遅延による他人の経済損害事故補償特約」について解説していきます。

　

不良品・納期遅延による他人の経済損害事故補償特約とは

「不良品・納期遅延による他人の経済損害事故補償特約」は、自社製品の欠陥や納期遅延で取引先から損害賠償請求を受けてしまった際に、この賠償金と緊急費用を補償する特約です。

「不良品・納期遅延による他人の経済損害事故」とは、以下の３つの場合です。

①	生産物の欠陥（通常有すべき安全性を欠いていることをいいます）
②	生産物の仕様等で意図された機能・効能・目的・条件を発揮または充足しなかったこと
③	次のいずれかの事由に起因する予定生産物の納品不能または納期遅延 ア．火災・破裂・爆発 イ．ア．以外の不測かつ突発的な事由によって予定生産物を製造・加工す 　　る設備・装置に生じた損壊・機能停止

支払限度額 （１事故・保険期間中）

１，０００万円

免責金額 （１事故）

１０万円

　

想定される事故

業種	想定される事故
部品製造業	納入した部品が仕様を満たしていないことが判明。再納品までの間、完成品メーカーの製造が休止した。事業休止に伴う逸失利益と、事故対応のために支出した残業代、販促ツールの修正費用についての損害賠償請求された。
機械製造業	製造した太陽光パネルが設計ミスにより十分な出力を発揮できなかった。予定どおりの発電量が得られなかったとして、発電事業者から逸失利益について損害賠償請求された。
食品製造業	工場で火災が発生し、製造ラインがストップ。製品を販売できなかったことに伴う逸失利益について販売会社から損害賠償請求された。
印刷業	食品の原材料表示ラベルに印刷ミスが発覚し、ラベルの再印刷に日数を要したため、食品出荷が遅れた。食品メーカーから出荷の遅れに伴う逸失利益について損害賠償請求された。

　

「不良品・納期遅延による他人の経済損害事故補償特約」の保険料（掛け金）

売上高１億円の企業の場合の「不良品・納期遅延による他人の経済損害事故補償特約」の保険料（掛け金）は以下の通りです。

金属製品製造業	食品製造業	印刷業
月々３，５６０円	月々６５０円	月々４３０円

　

まとめ

通常の賠償責任保険は、他人がケガをしたり、他人のモノをお壊してしまった場合などの実際の物的損害が発生することを前提にしています。

それに対して、こちらの商品は、経済的損害を補償することが画期的です。自社製品の欠陥や仕様不適、納期遅延はほぼすべての企業（特に製造業）で発生するリスクだと思います。また、取引先に甚大な迷惑や金銭的負担をかける可能性があります。取引先との関係の存続する道具にも使えますので、この特約の付帯を是非ご検討いただけると良いのではないでしょうか。